フィンランドの首都ヘルシンキにあるアアルト大学は筆者が在籍していた大学であり、フィンランドの主要な教育機関です。ここに新たなトラムの路線が2023年10月に運転開始されたことをご存じでしょうか？この記事では、ヨケリ・ライトレール（Jokeri Light Rail）について解説したいと思います。
ヨケリ・ライトレール（Jokeri Light Rail）とは
ヨーケリ・ライト・レール（Jokeri Light Rail）は、フィンランドの首都ヘルシンキの公共交通機関の拡充と都市部の輸送ニーズに応えるために開発された新規路線です。総延長25.6キロメートルの路線は、ヘルシンキ市中心部から北西方向に伸び、エスポー市を経由してヴァンター市に至ります。多くの駅と停留所が設けられ、市内の主要な住宅地や商業地域、交通の要所へのアクセスが向上します。
引用元：What is Jokeri Light Rail? | Jokeri Light Rail (raidejokeri.info)
高頻度で運行され、輸送力の増加により、効率的かつ持続可能な公共交通機関として位置づけられています。このプロジェクトにより、自動車利用の削減や都市の交通渋滞、環境負荷の軽減が期待されています。ヨケリ・ライトレールは2023年10月21日に営業運転を開始しました。現在、Itäkeskus MからKeilaniemi Mまでの所要時間は約65分となっています。
https://raidejokeri.info/en/service-on-light-rail-line-15-commences-on-21-october-2023/
ヨケリ・ライトレールの停留所
引用元：https://raidejokeri.info/en/jokeri-light-rail-from-itakeskus-to-keilaniemi/
- Itäkeskus M
- Roihupelto
- Kauppamyllyntie
- Karhunkaataja
- Latokartano
- Viikin tiedepuisto
- Viikinmäki
- Veräjämäki
- Oulunkylän asema
- Mäkitorpantie
- Teininpuisto
- Kustaankartano
- Maunula
- Pirjontie
- Pirkkola
- Hämeenlinnanväylä
- Ilkantie
- Huopalahden asema
- Vihdintie
- Kutomotie
- Takomotie
- Talin siirtolapuutarha
- Ravitie
- Vermo
- Perkkaa
- Leppävaaran asema
- Säteri
- Linnoitustie
- Laajalahti
- Lahdenpohja
- Maari
- Aalto-yliopisto M
- Otaranta
- Keilaniemi M
ヨケリ・ライトレールで使用される車両
引用元：https://www.hel.fi/hkl/fi/raitiovaunulla/kalusto/forcity-smart-artic-x54
ヨケリ・ライトレールではArtic X54が採用されています。Artic X54は、Škoda Transtech（シュコダトランステック）が製造し、ヘルシンキに導入された新型トラムです。運転席が前後に設置されているため、双方向の運転が可能です。そのため、これまで進行方向の右側にしかなかったドアが両側に設置されました。全長は34メートルで、必要に応じて、約10メートル延長することができます。これまでのトラムは3両編成でしたが、X54は5両編成で走行が可能です。車体は超低床フロアが採用されており、停留所と同じ高さのため段差がありません。写真および詳細なスペックは別記事で解説していますのでご参照ください。
ヨケリ・ライトレールの終着点にあるアアルト大学とは
アアルト大学（Aalto University）は、2010年に設立された大学です。フィンランドの3つの主要な教育機関である、ヘルシンキ工科大学（Helsinki University of Technology）、ヘルシンキ経済学大学（Helsinki School of Economics）、およびヘルシンキ芸術デザイン大学（University of Art and Design Helsinki）が合併して、異なる学問領域間での協力とイノベーションを促進することを目指しています。大学名「Aalto」は、フィンランド出身の著名な建築家でデザイナーであるアルヴァ・アアルト（Alvar Aalto）に敬意を表しています。アアルトは国際的に評価された建築家であり、彼の作品は芸術とデザインの融合を象徴しています。アアルト大学のオタニエミキャンパスの横をヨケリ・ライトレールは通っており、筆者が訪れたときは線路を敷設している真最中でした。
2022年11月オタニエミキャンパスで筆者撮影
終わりに
本記事ではアアルト大学を通るヨケリ・ライトレールについて解説しました。留学する際に一番大切な住まい選びで、ヘルシンキ中心部は家賃が高いため、このトラムが開通することで、郊外に住む選択肢が広がるなと思っています。
Creativeog[クリオグ]では、フィンランドに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。