アアルト大学でデザインを学んだ元留学生が新オタニエミキャンパスの内部に潜入してきた【動画付き】

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フィンランドの首都ヘルシンキにあるアアルト大学 美術・デザイン・建築スクール(Taik)が2018年にアラビアキャンパスからオタニエミキャンパスに移転しました。この記事では元留学生の筆者がTaikの新旧キャンパス(オタニエミ・アラビア)を紹介したいと思います。

アアルト大学とは

アアルト大学(Aalto University)は、2010年に設立された大学です。フィンランドの3つの主要な教育機関である、ヘルシンキ工科大学(Helsinki University of Technology)、ヘルシンキ経済学大学(Helsinki School of Economics)、およびヘルシンキ芸術デザイン大学(University of Art and Design Helsinki)が合併して、異なる学問領域間での協力とイノベーションを促進することを目指しています。

大学名「Aalto」は、フィンランド出身の著名な建築家でデザイナーであるアルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)に敬意を表しています。アアルトは国際的に評価された建築家であり、彼の作品は芸術とデザインの融合を象徴しています。

https://www.aalto.fi/en

アアルト大学 美術・デザイン・建築スクール(Taik)について

アアルト大学 美術・デザイン・建築スクール(Aalto University School of Arts, Design and Architecture)はその名の通りアート、デザイン、建築の3つの学問領域で構成され、それぞれにさらに細かい専門分野を学ぶことができます。前身は1871年創立のヘルシンキ芸術デザイン大学です。アアルト大学は、異なる分野を結びつけ、学際的なアプローチを推進しています。アート、デザイン、アーキテクチャの学部もその一環であり、異なる領域の知識を組み合わせ、学生に幅広い視野を提供しています。

https://www.aalto.fi/en/school-of-arts-design-and-architecture

アアルト大学 美術・デザイン・建築スクールの略称はARTS?それともTaik?

アアルト大学の美術、デザイン、建築スクールは、その呼称が長いため、通常は2つの略称が使われます。まず最初は「ARTS」と呼ぶ場合です。これは、アアルト大学内で芸術系学生が集まるスクールであることから、「アート=ARTS」と呼ばれるようになったという説があります。学生たちの間では、Economics(経済)、Engineering(工学)、またはArts(芸術)の学生かを区別するためにARTSが広く使用されています。

もう一つの略称が「Taik」です。これは、前身であるヘルシンキ芸術デザイン大学のフィンランド語表記が「Taideteollinen korkeakoulu」で、その頭文字を取ってTaikと呼ばれるようになりました。私が在籍していた頃は、アアルト大学への統合からそれほど時間が経っていなかったため、多くの学生や教員がTaikと呼んでいました。現在は10年以上経過しており、一般的にはARTSがより広く使われていると思われますが、この記事では私の愛着も込めてTaikと略しています。

Taikのキャンパス移転について

Taikのキャンパスは、フィンランドの首都ヘルシンキから西に約10キロほど離れたエスポー市オタニエミ地区にあり、オタニエミキャンパスと呼ばれ、アールト大学の他の学部とも隣接しています。Taikはもともとアラビアキャンパス(Arabiaranta)がありましたが、2018年夏にオタニエミキャンパスに移転しました。この章ではオタニエミキャンパスと今は閉鎖されてしまったアラビアキャンパスをご紹介します。

オタニエミキャンパス

2018年夏から利用されているオタニエミキャンパスは、ひし形を組み合わせた独特な形状をしています。

その形状が、世界一まずいとして有名なFazer社の「サルミアッキ(Salmiakki)」のパッケージデザインに似ていることから、関係者たちは愛情を込めて「サルミアッキ」と呼んでいます。

https://en.fazer.com/collections/salmiakki/products/salmiakki-40g-pastilles

この4階建ての建物には、プロジェクトルーム、講義室、そしてワークショップ(工房)が完備されています。全体的に、壁や床は統一された白で覆われており、清潔感とモダンな雰囲気が漂っています。

さらに、展示スペースも設けられており、そこではさまざまなプロジェクトの成果を見ることができます。

1階の吹き抜けスペースにはソファーが配置され、学生たちはここで雑談したり課題に取り組んだりしています。

こちらが木材を加工する工房(Wood Workshop)です。

こちらが縫製を行う工房(Textile Workshop)です。(記憶が曖昧なので、違っていたらすみません。)

ついでに、アアルト大学のいくつかの設備をご紹介します。まずはFablabです。ここでは3Dプリンターやその他のデジタル工作機器が備えられており、学生たちはプロトタイピングに積極的に利用しています。

次にVRHubです。こちらは仮想現実に関するプロジェクトに利用されているようです。

最後に学食のメニューをご紹介します。多くの学生が学食を利用しており、メニューは日替わりでお皿に収まる量だけ取り放題です。

筆者が訪れた日は、フィンランドらしいメニューでミートボールとジャガイモでした。ジャガイモはフィンランドの主食で、日本で言うところの米に相当します。日本人留学生の中では、フィンランドのご飯がまずいとか、飽きるとか、よく話題に上がっていました。

アラビアキャンパス

Taikは2018年、オタニエミキャンパスに移転する前は、アラビアンランタ(Arabianranta)に位置するアラビア工場(Arabia Factory)にキャンパスを構えていました。アラビア工場は、フィンランド、ヘルシンキにある歴史ある陶磁器製造工場で、イッタラ(Iittala)およびアラビア(Arabia)といったフィンランドを代表するブランドの製品で有名です。現在は閉鎖され、Ittala & Arabia Design Centreとして観光客に人気のスポットとなっています。以下は、筆者が2017年に訪れた際に撮影したキャンパスの写真です。

筆者はデザイン学部に所属しており、8階で授業を受けていました。まずはプロジェクトルームです。壁面がホワイトボードになっている開放的なスペースで、さまざまな議論を可視化します。

次にプレゼンルームで、部屋の明かりが消えていて少し寂しい雰囲気ですが、在学中はイベントがあるたびにここに集まり、コーヒーやシナモンロール、Fazerのチョコレートを楽しみました。

最後に廊下と講義室です。アラビア工場は細長い建築なので、廊下が非常に長いのが特徴です。端から端まで歩く間に多くの知人と出会い、雑談できました。

アラビア工場の改修工事?

2017年に訪れた際、アラビア工場の改修に関する完成予想図が掲示されていました。

しかし、2022年に再訪した際はアラビア工場に立ち寄ることができず、その後の進捗が不明です。もしご存知の方がいれば、教えてください。

Taikへのアクセス方法

Taikおよびアアルト大学へ行くには、地下鉄が便利です。

ヘルシンキ中央駅からの所要時間は約12分で、最寄り駅のAalto-Yliopisto駅で下車してUlos Aへ向かって歩いてください。ヘルシンキ市街から向かう場合は、ZONE A+Bのチケットが必要です。

新トラムがオタニエミを走る!

現在オタニエミに線路を敷設し、Jokeri Light Railと呼ばれるトラムを運行するための工事が進められています。2023年に開通らしいですが、今は試験走行の段階のようです。こちらについてはいずれ記事にしたいと思います。

https://www.aalto.fi/en/news/spot-the-jokeri-light-rail-on-the-otaniemi-campus

終わりに

アアルト大学とTaikは非常に有名な大学です。今回は筆者自身の備忘録として、オタニエミキャンパスや現在は閉鎖されてしまったアラビアキャンパスについて記事にまとめてみました。もしアアルト大学にご興味がある方はお気軽にご連絡ください。Creativeog[クリオグ]では、フィンランドに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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