ドイツ鉄道(Deutsche Bahn:DB)アプリを使った切符の買い方とUXデザイン

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ドイツ鉄道(DB)はドイツを縦横無尽に走る国営の鉄道です。国際列車も運航しており、多くのビジネスおよび観光客がドイツ鉄道を利用しています。この記事ではDBアプリを使った切符の買い方を解説するとともに、デザイナーの視点でアプリの使い勝手(UX/UIデザイン)を検証したいと思います。

ドイツ鉄道(DB)とは

ドイツ鉄道(Deutsche Bahn、略称: DB)は、ドイツの国営鉄道会社であり、旅客および貨物列車の運行、鉄道インフラの管理を行っています。1994年に設立され、ドイツ国鉄(Deutsche Bundesbahn)と東ドイツ国鉄(Deutsche Reichsbahn)の統合によって誕生しました。この統合は、東西ドイツの統一に伴うものであり、それ以前は両者が別個に存在していました。国際列車も運行しており、オランダやベルギーなど近隣諸国との鉄道接続を提供しています。さらに、近年では技術革新やサービス向上にも注力しており、例えば列車の運行情報をリアルタイムで提供するアプリが挙げられます。

DBアプリで切符を買う方法と使い勝手(UXデザイン)

それでは、DBアプリで切符を買う方法について解説します。アプリは英語の言語変更ができますので、皆さんはアプリをインストールしたら英語に切り替えてください。残念ながらこの記事の公開時点で日本語はありません。

手順1

「DB Navigator」アプリをインストールしましょう。DBのアプリは白地に赤色のDBのロゴが入っています。

手順2

アプリを起動したら、乗車駅と降車駅を記入します。また出発時刻を指定する場合は「出発(Departure)」をタッチして時刻の指定をしてください。

入力を終えたら画面中央の「検索(Search)」をタッチします。

画面下部には「購入済チケット(My Tickets)」が表示され、チケットを購入するとここからQRコードを表示できます。

手順3

鉄道スケジュールを検索すると、リストが表示されます。欧州の鉄道は遅延が当たり前なので、黒字は定刻を、遅延は赤字で最新時刻が表示されます。また混雑が予想される場合は「混雑予想(High demand expected)」と記載されます。またチケット残数が少ない、あるいは一等車や二等車のみ購入の場合は赤字で記載されますので、ご注意ください。価格は乗車する列車によって異なるため、スケジュールとともに運賃を確認ください。

手順4

希望するスケジュールをタッチすると、詳細を見ることができます。確認すべきは鉄道の種別(ICE10)および乗車プラットフォームです。画面では7番線の柱番号ABCに到着すると書かれています。ドイツでは駅が長いため、乗車する鉄道がどの柱に停車するのか確認しないと、列車到着時にプラットフォームを走ることになります。

問題がなければ「オファーを選ぶ(To offer selection)」を選択します。

手順5

チケットの種別を選択します。それぞれのチケットにより特典が異なりますので、必ずご確認ください。チケットを選択したら合計金額を確認し、「予約手続きに進む(Continue to booking)」をタップします。

手順6

チケットの購入画面では、チケットも枚数や片道・往復チケット、および客車等級を選択します。この画面では、「大人(Adults)」1枚、「片道切符(Single ticket)」「2等客室(2nd class)」となります。チケットは「通常料金(Regular full fare)」を選択してください。情報を入力したら「次へ(Next)」をタップします。

他人のために購入する場合は「他者のための予約(Book for others)」を選択します。

「座席予約(Seat reservation)」をすれば確実に座ることができるためおすすめです。座席予約をしない場合は、乗車時の座席に表示される液晶を確認します。

画像のように駅名が書かれている場合は、座席指定がすでにされており、座れません。必ず空欄となっている座席に座りましょう。

手順7

ここでは乗客の住所を記入します。アプリインストール時に登録する氏名やメールアドレスが表示されますので、確認してください。一度入力すれば次回以降は入力不要です。

手順8

支払い情報を入力します。フォームに従って入力をしてください。

手順9

必要な情報を入力すると確認画面が出てきます。
日時および乗車する区間を確認し、問題が無ければ「購入する(Buy now)」をタップします。

※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。

手順10

正しく処理されると予約完了の「Appointment Booked」が表示されます。

※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。

手順11

アプリから乗車する列車の位置情報を取得することができます。観光者にとっていまどこを走っているのかわかるのは意外と便利です。

※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。

手順12

予約が完了するとチケットが表示できます。ICE車内の検札で提示してください。

※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。

手順13

チケット右上の「時計」を選択すると、出発時刻までの残り時刻が表示されます。また細かな乗車時刻も見られますので、確認してください。ただし鉄道は頻繁に遅延や運転見合わせが発生するので、必ず駅の情報掲示板をご覧ください。

DBアプリのデザインがなぜ優れているのか?

DBにはDesign Systemが存在し、ホームページおよびGithubに公開しています。このDesignSystemの存在がアプリの使い勝手を向上させ、優れたUXを提供できている要因のひとつです。Design Systemでは、UX/UIに関するデザインのルールが記載されており、モバイルアプリにも適応されていると思われます。これによりデジタルコミュニケーション全体に一貫したLook&Feelを提供できています。またDBにはManagement PortalからBrand Guidelineも公開されており、デザインマネジメントが徹底されている印象です。ガイドラインではDoとDon’tが定義されており、高いUXを提供できています。DBのDesign SystemやBrand Guidelineの詳細はリンクを参照ください。UX/UIデザインに興味がある人であれば見て損はありません。

https://db-ui.github.io/

https://marketingportal.extranet.deutschebahn.com/marketingportal

時間ができたらDBのDesign Systemについて記事を書きたいと思います。

終わりに

DBのアプリを使ったチケットの購入は簡単で、使ってほしいと思います。ぜひドイツに行ったらアプリをインストールしてみてください。creativeog[クリオグ]では、UXデザインに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。

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