オランダ国鉄(NS)はオランダを縦横無尽に走る国営の鉄道です。国際列車も運航しており、多くの観光客がオランダ国鉄を利用しています。この記事ではNSアプリを使った切符の買い方を解説するとともに、デザイナーの視点でアプリの使い勝手(UX/UIデザイン)を検証したいと思います。
オランダ国鉄(NS)とは
オランダ国鉄(Nederlandse Spoorwegen、略称:NS)は、オランダの国営鉄道会社です。オランダ国鉄は1938年に設立されました。しかし、その前身である「Staatspoorwegen」(国家鉄道)は1860年代から存在していました。 オランダ国鉄は、オランダ国内を網羅する広範な鉄道網を運営しています。主要都市や地域を結ぶ路線があり、効率的な公共交通機関として利用されています。また、国際列車も運行しており、ドイツやベルギーなど近隣諸国との鉄道接続を提供しています。さらに、近年では技術革新やサービス向上にも注力しており、例えば列車の運行情報をリアルタイムで提供するアプリが挙げられます。
オランダ国鉄の切符の買い方
切符の買い方にはいくつか方法がありますが、アプリまたはクレジットカード以外で切符を購入する場合は、運賃に加えて紙切符の発行代として1ユーロが追加徴収されます。また、NSのチケットでは、
- GVB(アムステルダム市営交通)
- CONNEXXION
- EBS
に乗車できない点ご注意ください。
GVBについては、こちらの記事を参照ください。
アプリ
本記事で詳しく説明するのがアプリです。アプリを使えば24時間どこでも切符を購入することができます。紙の切符では1ユーロが切符代として追加徴収されますが、アプリであればデジタルチケットのため切符代はかかりません。つまり、コストを抑えて効率的に観光したい方にはとても便利です。
駅の切符売り場・自動券売機
駅には有人の切符売り場や自動券売機があり、切符を購入することができます。自動券売機では、画面に表示される指示に従って、出発地と目的地、日時、券種を選択し、支払いを完了します。切符は機械から直接取り出せます。紙切符代としてチケット代に加えて1ユーロが合わせて徴収されます。
NSアプリで切符を買う方法と使い勝手(UXデザイン)
それでは、NSアプリで切符を買う方法について解説します。アプリは英語の言語変更ができますので、皆さんはアプリをインストールしたら英語に切り替えてください。残念ながらこの記事の公開時点で日本語はありません。
手順1
アプリをインストールしましょう。NSのアプリは黄色にNSのロゴが入っています
手順2
アプリを起動したら、乗車駅と降車駅を記入します。また出発時刻を指定する場合は「出発時刻:今(Departure:now)」 をタッチして時刻の指定をしてください。
入力を終えたら画面中央の「旅程検索(Plan your journey)」をタッチします。
手順3
時刻表が表示されます。時刻や乗車時間、乗り場だけでなく、鉄道の種別が表示されます。SPR 「普通・各停(Sprinter)」を意味します。ご希望の鉄道をタッチします。
手順4
希望するスケジュールをタッチすると、詳細を見ることができます。また画面下部の「お知らせを受け取る(Turn on notifications)」をタッチすると時刻表の変更があった場合に通知が送る設定に変更できます。日本と違いヨーロッパでは鉄道の行先変更や時刻変更が頻繁に起こるため、通知をオンにすることをお勧めします。
鉄道プランが問題なければ「チケットを買う(Buy train ticket)」を選択します。
手順5
チケットの購入画面では、チケットも枚数や片道・往復チケット、および客車等級を選択します。この画面では、「大人(Adults)」1枚、「片道切符(Single ticket)」「2等客室(2nd class)」となります。チケットは「通常料金(Regular full fare)」を選択してください。情報を入力したら「次へ(Next)」をタップします
手順6
ここでは乗客の名前を記入します。名前のイニシャルと苗字を記入します。
手順7
最後にクレジットカードの情報を入力します。オランダ語で出てくる場合は必要に応じて翻訳機能をONにしてください。
手順8
手続き中の画面が出たらしばらく待ちます。
手順9
チケットの購入が完了すると、チケットのQRコードが出てくるので、これを改札にかざすと列車に乗車することができます。
※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。
手順10
一度購入すれば、UPCOMING(これから来る旅程)からE-チケット情報にアクセスすることができます。
※画像はアムステルダム近郊駅からスキポール空港に変わっています。
おまけ
アプリから乗車する列車の位置情報を取得することができます。観光者にとっていまどこを走っているのかわかるのは意外と便利です。
NSアプリのデザインがなぜ優れているのか?
NSは旅行を快適にすることを目指しており、そのためにはWebサイトとアプリを提供することが必要でした。そして、NSはウォーターフォール手法からアジャイル手法への移行を経て、顧客により合理的で個人に最適な旅客体験を提供できるようになりました。
アジャイル開発の一環として、NSはSauce Labsと協力してデータテストを実施したようです。この変更により、テストがより迅速かつ徹底的になり、問題が発生すれば迅速に発見できるようになりました。NSの開発者はローカル環境から繰り返しテストを行い、あらゆる可能性に対応でき、新機能が正常に機能しているかをリアルタイムで確認できるようになりました。これにより、顧客のニーズに素早く対応できるようになったとされています。
NSアプリやアジャイル開発の詳細はこちらをご参照ください。
https://www.ns.nl/reisinformatie/ns-app
NSのモバイルアプリをデザイン・開発している企業がどこか探しましたが、情報は見つかりませんでした。
UIデザインはカラーパレットを青系と黄系で統一し、誤動作を防ぐ優れたデザインだと思います。黄色と青色が補色の関係になっていることから、コントラストがはっきりし、ユーザの視認性が確保されていると思います。またタップできるところはボタン形状をしているため、どこをタップできて、どこができないかが明解です。
終わりに
オランダアムステルダムNSのアプリを使ったチケットの購入は簡単で、ぜひ使ってほしいと思います。ぜひオランダに行ったらアプリをインストールしてみてください。creativeog[クリオグ]では、UXデザインに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。