世界で最も美しい図書館と称されるフィンランドのOodiに行ってみた 【解説・動画付き】

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フィンランドのヘルシンキに立地する「世界で最も美しい図書館」と称されるOodiをご存じでしょうか?本記事では、2022年10月にOodiを訪れて調査した内容を写真や動画を使って皆さんにご紹介したいと思います。

まずは動画をご覧ください

Oodiとは

Oodiはヘルシンキ中央図書館のことで、フィンランドのヘルシンキ中央駅のそばにあります。フィンランドの101回目の独立記念日に合わせて2018年12月5日にオープンしました。図書館の大きさは17,250平方メートルで手掛けたのは、Antti NousjokiとSamuli Woolstonが率いるフィンランドの建築事務所ALA Architectsです。Oodiは「頌歌(しょうか)」を意味するフィンランド語です。頌歌とは、古代ギリシアやローマで栄え、主に宗教歌として神の栄光、君主の美徳、英雄の功績などを褒め称える歌とされています。

Oodiのコンセプト

「フィンランド文化」「読書」「言論・表現の自由」「平等」「民主主義」をコンセプトに作られたOodiは蔵書数が85,000冊とあまり大きくはない一方で、音楽スタジオやメイカースペースなど幅広いサービスを提供しています。また2階には作業用の個室や大型プリンターなど、ビジネス用途においても使いやすい環境が整っています。3階は図書コーナーになっており、子ども用のスペースやカフェも併設されています。さらにボードゲームも充実しており、Oodiはさまざまな目的で訪れた利用者に快適に過ごしてもらうための配慮が徹底しているように感じました。

Oodiのダイバーシティ(多様性)への配慮

Oodiで驚いたのはユニセックス型のトイレです。日本では男女別のトイレが当たり前ですが、Oodiでは一部トイレがユニセックスとなり、男女兼用の完全個室となっています。これはLGBTQ+のような性的少数者に対する配慮としてOodiだけでなく、フィンランドの公共施設で導入が進められています。人が入ると照明が点灯し、空室かどうかが外から判断できる仕組みです。

Oodiの建築としての評価

OodiはIFLAの“Public Library of the Year”受賞をはじめ、米・TIME誌の“World’s Greatest Places”のリスト掲載、カナダの建築雑誌“AZURE”主催の国際建築賞“AZ Awards”でピープルズ・チョイス賞を受賞など、高い評価を受けています。

ロボットによる効率化

Oodiでは、書籍を運ぶのは人間ではなく、自動搬送ロボットが担っています。1階に設置されている返却カウンターで回収された本をロボットが3階まで運び、所定のスペースに格納します。面白いのはロボットはエレベータを利用する際に、エレベーターが自動で昇降する仕組みになっていることです。搬送ロボットが立ち往生することもあり、どこまで自動化が進められているかわかりませんが、先進的だと感じました。

Oodiの入り口で流れる謎の効果音とは?

図書館の内部は非常に静かな空間ですが、入口にはBGMが流れており、少し異世界に入る感覚が面白かったです。何の意味があるのか私にはわかりませんが、こんなところにも工夫が施されている点は評価できますね。

終わりに

今回はOodiについて解説しました。落ち着きのある空間で、時間が許せば何時間でも居られる素敵な空間です。ぜひフィンランドに旅行される際は訪れてみてください。
creativeog[クリオグ]ではフィンランドに関するさまざまな記事を執筆しています。ぜひ他の記事もご覧ください。

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