ワークショップで最も難しいのはアイデアの絞りこみや合意形成です。ワークショップの過程で四方八方に発散しているアイデアや考えを決議に向けて数を絞りこむことは容易ではありません。本記事では素早く、簡単に合意形成することができるバタフライテストについて解説します。

ワークショップで難しいのは絞りこみと合意形成
冒頭で述べた通り、ワークショップで最も難しいのはアイデアの絞りこみや合意形成です。ワークショップの過程で四方八方に発散しているアイデアや考えを決議に向けて数を絞りこむことは容易ではありません。特に立場が強い人や、声の大きな人の意見に流されてしまうことも多々あります。こういった環境を打破するためには、アイデアをゆがみのない状態で評価することが大切です。その際におすすめするのが「バタフライテスト」と呼ばれる投票方法です。
バタフライテストとは
「バタフライテスト」は、数あるアイディアを評価し、そのなかで優れたものを選択するプロセスを参加者が実行するための評価手法です。特にビジネスでは、単純な投票による多数決で「この案が得票数が多いので一番優れている」と決めることができません。それは、投票の選考基準が不明瞭だからです。そこで、2つか3つほどの価値基準を設け、各基準で投票するのがバタフライテストです。基準を明確にして投票することで、「この基準では1番よいけれど、もうひとつの基準では問題がある」といった、より質の高い評価を行うことができます。複数の視点からアイデアを絞りこみ合意形成するのが特長です。

バタフライテストのやり方
バタフライテストの目的は複数の参加者でアイディアを評価し、絞りこむことです。
①バタフライテストの評価基準の設定
まずは、投票の評価基準を設定します。ポストイットを製造・販売する3Mのバタフライテストに関する解説では、「実行が容易」、「効果が高い」、「新規性が高い」という3種類で投票することを例として挙げています。
また筆者がデザイン思考のワークショップでバタフライテストを行うときには、「人にとっての有用性」「技術的実現性」「経済的持続性」の3つを評価基準として設定します。これはイノベーションを起こすためには、3つの要素が揃っている必要があるためです。

②投票ルールの説明
- 各基準につき、投票できる数を開示する
- 投票できる数は必ずしも使い切らなくて良い
- 他人の顔色をうかがわず、全員一斉に投票する
- ひとつのアイデアに複数の投票を行って良い
- 自らのアイデアに投票して良い
③投票する
全員で一斉に投票するのがポイントです。結果がすぐに可視化され、投票者の評価が目に見える形になり、次のプロセスに進む際に合意形成も容易になります。
終わりに
バタフライテストはワークショップにおけるアイデアの絞りこみにおいて、簡単で汎用性の高い優れた投票方法です。ぜひ皆さんも活用してみてください。Creativeog[クリオグ]では、ワークショップに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。