デザイナーで必須なスキルと言われる「共感する力」

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共感とは、人間関係を築く上で欠かせない重要なスキルです。デザイナーにとっても、特に重要な能力とされています。では、共感とは具体的に何でしょうか。本記事では共感について筆者なりの考えを言語化します。

共感とは

共感とは、単に相手の気持ちを理解することではありません。それ以上に、相手の立場や感情に寄り添い、共に感じることです。相手の目線で物事を考え、その人の経験や感情を理解しようとする姿勢が必要です。ちなみによく混同される言葉に 同情 があります。同情は苦悩する相手に対して哀れみを感じていることを示す言葉であり、基本的にはマイナス面の感情に対して用いられます。つまり同情は他者よりも有利な立場の人が思いやる場合に多く使用されるため、共感と区別されます。

共感することの難しさ

共感することは容易ではありません。特に、自分自身が直接関わる問題や意見に対して共感することは難しくなります。それは自分の意見や価値観が脳内で形成されていると、客観的に相手の立場を理解するのが難しくなるからです。筆者は普段、妻から「あなたは共感が足りない」と叱られることしばしばあります。その原因は夫婦になると、妻の課題は自分の課題と直結しており、相手に寄り添うよりも先に、課題の分析と課題解決に走ってしまうからです。まずは「そうだよね」という一言が必要なのですが、主観的に物事を判断してしまいます。この経験から学んだ共感の難しさとは、共感するためには客観的な視点と主観的な視点の両方を兼ね備えてバランスよく切り替える必要がある点です。このバランスを維持することで、相手の立場や感情をより良く理解し、「共感する力がある」と言えます。

顧客に寄り添うとは

共感をビジネスの文脈で考えると、「顧客に寄り添う」ことではないでしょうか。顧客に寄り添うとは、ビジネス相手の状況や感情に共感し、自社のソリューションで支えようとすることです。しかし、寄り添うときに安易に解決策を考えて自分の意見や自社のソリューションを売り込む行動に繋がらないように注意が必要です。寄り添うことは、自分の意見や解決策を押し付けるのではなく、相手の立場を理解しようとすることを意味します。なので、まずは寄り添うと決めたら、自社の商材や自分の考えを全て捨て、ただ顧客の声に傾聴することを徹底しましょう。

顧客に寄り添うだけではビジネスでは成立しない

ビジネスにおいて、顧客の声を聞き、共感することは非常に重要です。顧客のニーズや要望を理解し、それに応じたサービスや製品を提供することが成功の鍵となります。しかし、顧客の声だけに耳を傾けるだけでは不十分です。なぜならば顧客は簡単に嘘をつくからです。その場の雰囲気や相手の印象を損なわないために、あるいは整合性を取るために無意識に嘘をつくことがあります。このようなケースは意外と多く、こういう顧客は何か発言しても、その通りには行動しません。このように顧客の声を鵜呑みにして共感しても、真実とはかけ離れてしまい、ビジネスにつながらないケースが多いのです。それを防ぐために、顧客が表面的に言ったことだけでなく、その背景や本当の課題を質問しながら確実に理解することが重要です。本当の課題を聞き出し共感するためのおすすめが、現在や過去について顧客に質問して、事実について傾聴をすることです。この場合顧客は嘘をつけません。

共感に加えビジョンを提示することがビジネスチャンスを掴む

共感ができなければ、ビジネス機会を逸することになります。顧客の真のニーズや欲求を理解し、それに応じた価値を提供することで、競争力を高めることができます。また、リーダーシップを発揮し、顧客が気付いていないニーズに対しても新しい解決策を提案することが重要です。

終わりに

共感は単なる感情の共有以上のものです。それは相手の立場を理解し、共に成長しようとする姿勢です。デザイナーにとって、共感は必須のスキルであり、ビジネス成功にも直結する重要な要素です。顧客の声を理解し、それを基にした価値提供が、持続可能な成長を実現するための鍵となります。creativeog[クリオグ]ではデザインについてさまざまな記事を執筆していますので、ほかの記事もぜひご覧ください。

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