なぜ今デザイナーは知識を言語化して共有するのか?

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はじめまして、OGです。

私は現在、メーカーでインハウスデザイナーとして働いています。このcreativeog.comを開設するにあたり、「なぜいまデザインの経験や知識を言葉にしていこうと決めたのか」を記したいと思います。これから、皆さんのお役に立つデザインの知識や情報を更新していきます。

人間中心のデザインでは、知識は門外不出で隠されていた

一般的なものづくりでは、商品企画部門が市場調査をしてターゲットユーザーを絞り、ターゲットユーザーに合わせてデザイナーが製品の外観や画面を描き、設計や製造部門と議論しながら、最終的な製品に仕上げることが多かったと思います。市場が飽和されてくると、ユーザーの課題解決のためのデザインの重要性を説き、ユーザー調査から潜在ニーズを見つけ、解決策となりうる製品やサービスに落とし込み、消費を拡大させました。すべて人間中心のものづくりです。

この頃は、デザインは購買意欲を沸きたてるための手段であり、戦略でした。そのため他社と競い合い、デザインのノウハウやテクニックは門外不出として会社および個人が隠していました。

人間中心から地球中心のデザインの時代へ

人間中心のデザインにより、多くの人の購買意欲を刺激し、たくさんのモノに囲まれる生活になりました。しかし、大量生産、大量消費により地球環境は破壊され、世界中で問題視されています。これからは人間の生活を豊かにするだけではなく、地球環境を守りながら私たちの豊かさを追い求めなければいけません。つまり、ターゲットユーザーは人間ではなく、地球なのです。

そこで世界はSDGsやESGといった新たな目標や指針を定め、地球との共存を前提とした持続可能な発展を目指すことで合意しました。そうなると、人間の行動や価値観、意識に目を向けていた人間中心のデザインから、地球を守り、気候変動を抑えるためのデザインに変わらなければいけません。いよいよ、地球中心のデザインを真剣に考える時代が来たのです。

地球中心のデザインでは、個人の知識や経験を隠しても意味がない

地球のためのデザインを行うためには、多様な専門性をもった人々と共創する必要があります。そうなると個人の知識は微小で、隠しても意味がありません。私たちが持ちうる知識や経験をすべて出しても地球中心のデザインを生み出すことは至難の業です。そのため、これからは私たちはしっかり知識を可視化し、社会に共有する必要があります。

OGが始めるデザイン知識の共有

微力ですが、私もデザイナーとして社会に貢献したいと思っています。そのため、まずはプロフェッショナルとして自負するデザインの領域で、自分の知識を言葉にし、公開することにしました。言葉にすることで、一人でも多くの読者の知見を深め、ともに持続可能な発展を実現できれば光栄です。

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