フィンランドには、他のヨーロッパ諸国同様、夏至をお祝いする文化があります。フィンランドでは夏至祭をJuhannus(ユハンヌス）と呼び、BBQやサウナ、ネイチャーハイクなどを楽しみながら、家族や親しい友人と過ごす大切なイベントです。本記事では人生で一度は経験すべきと言われるユハンヌスの過ごし方について解説します。
夏至祭Juhannus（ユハンヌス）とは
フィンランドには、他のヨーロッパ諸国同様、夏至をお祝いする文化があります。フィンランドでは夏至祭をJuhannus(ユハンヌス）と呼び、フィンランド人にとって大切な国民の祝日です。この時期になると、フィンランド人はコテージでくつろぎ、家族や親しい友人と焚き火を囲み、ソーセージとお酒で祝福します。もちろんサウナを楽しみ、湖や海で泳ぐことも慣習です。この日はフィンランドの多くの地域で太陽が沈まない白夜となります。
夏至祭の期間中は、かがり火（フィンランド語で「コッコ」）を焚いている地域があります。これはかつて、かがり火が悪魔の霊を追い払い、豊作を導くものだと信じられていたためです。
夏至祭Juhannus（ユハンヌス）の過ごし方
フィンランドでユハンヌスを楽しむ機会は多くの人にあるわけではありません。もし、何かのきっかけで友人や家族とユハンヌスを楽しむチャンスがあれば、ぜひ貴重な経験ですので参加してみてください。本記事ではユハンヌスの過ごし方についてお伝えします。
欲のままに食料品を買い込む
ユハンヌスでは多くの国民がコテージで過ごします。１週間ほど滞在するため、大切なのが食料品の買いだめです。1週間を楽しむために大量の食材とお酒を買い、コテージに向かいます。私は知人15名でユハンヌスを過ごしたのですが、カート３台分の食材とお酒になりました。フィンランドに住む人は夏至祭に食材とお酒が足りなくなることを恐れるので、余分に買い込むことが多いようです。
ひたすら食べる、飲む、語りあう
夏至祭は家族や親しい友人が集まるイベントでもあります。日頃は別々の場所で暮らしていても、夏至祭で再び集まって過ごすことが醍醐味のひとつです。そのため、久々の再開を祝して、豪華な食事とお酒で夏至祭を楽しみます。私が過ごしたユハンヌスではすべての食事を屋外BBQで作っていました。1日中明るいので、朝食・昼食・夕食といった区切りはありますが、それ以外の時間もずっと何か食べたり、お酒を飲みながら語りあいます。
サウナと湖スイミングで心身をととのえる
フィンランドといえば、サウナです。フィンランドでは湖が多くあるため、サウナに入って温まった体を湖で冷やします。夏とはいえ、北欧の水は日本の水風呂より冷たいです。フィンランドでサウナに入るととてもにぎやかでたくさん語りあいます。そこから静寂の湖に飛び込み、心臓の鼓動と大自然の静寂や波の音を感じると、生きている実感を得られます。サウナではヴィヒタという白樺の若い枝葉を集めたもので全身を叩いて血行を良くし、香りを楽しむ「ウィスキング」を楽しみます。気の知れた家族や親しい友人と入るサウナは格別です。この体験こそ、多くの人が人生で一度は経験したいと思う理由なのかもしれません。
白夜を楽しむ
この時期フィンランドのほとんどの地域で太陽が沈まない白夜になります。常に明るいというのは、時間の感覚が麻痺するため、生活リズムが狂い、時間から解放されて友人と過ごすことができます。日本に住んでいると経験できない白夜をユハンヌスでは楽しむことができるのです。白夜を生かして、深夜でもお酒を飲み、ワイワイ語り合い、かがり火（コッコ）を囲み踊ります。またボートに乗って自然を満喫するなど過ごし方はさまざまです。
自然の美しさに息をのむ
自然の表情は常に変化します。刻一刻と変化する自然をただぼんやり眺めるのもユハンヌスの楽しみのひとつです。ゆったりとした時間の流れを感じながら、美しい湖畔の景色を眺めるは格別な時間です。ただ座ってぼんやり考えごとをすると、自分の思考も整理されます。
ネイチャーハイクを楽しむ
コテージの周りには手つかずの自然が多く残されています。日中はその自然に飛び込み、ハイキングするなどして、大自然を満喫しましょう。
コテージで心と体を癒す
忘れてはいけないのは、私たちの日常は常に時間に追われて疲れているということです。そのためユハンヌスでは人里離れたコテージで時間を忘れ、心と体を癒し、体調を整えることも大切です。コテージでは電子機器から離れてデジタルデトックスの効果もあります。騒がしい人工音がない中で寝られるだけで幸せを感じられます。
終わりに
本記事では、フィンランドの夏至祭Juhannnus（ユハンヌス）について解説しました。ぜひ、人生に一度はフィンランドの夏至祭を経験していただきたいと筆者は思っています。Creativeog[クリオグ]では、フィンランドに関する記事を多数執筆していますので、ぜひ他の記事もご覧ください。